よいこの速弾き講座 パンテラ編

まさかの復活、【よいこの速弾き講座】です。

前回パンテラの A New Level をコピーした時に、自分なりにダレルのソロを分析しました。
せっかくなのでブログの記事にしてしまおうと、思い立った次第であります。

今回のソロ部分は、↓ このビデオの

だいたい2分45秒くらいから始まります。
その中でも特にしんどいのが、2分55秒くらいから始まる超速のフレーズ群です。

正直、速すぎて頭で考えていたらとてもじゃないですが指が追いつきません。
おそらくダレルも、この部分はほとんど手癖で弾いていたと思います。
なので、コピーする時も、手癖に近い形で、頭で考えずに自然に指が動いてしまうくらいにならなければいけません。

フレーズの完コピを意識し過ぎずに、 スケールだけおさえて、あとはスピードに乗っかって本能で弾ききるようにしましょう。
まずはそれがアドバイスです。

さてさて、では肝心のフレーズ攻略に進みましょう。

ここで使っているのは基本的にはEmペンタトニックの2番ポジションです。

はい、最も有名なスケールですね。

最初の連打系フレーズでは、1弦だけしか使っていませんが、これに、2音足してスケールを拡張しています。

こんな感じで、 17、18フレを小指で押さえます。
15フレを薬指でおさえる、ちょっとしたストレッチになりますが、まぁ1弦だし、ハイフレットだし、何とかなるでしょう。
速弾きを目指すならストレッチは避けては通れない道なので、これくらいはできるように頑張りましょう。
俺も指は超短いですが、ギリでなんとか弾ききれました。

連打は、小指→薬指→人差し指の順で右手のピッキングのタイミングに合わせてサッと離すようにします。
その時小指の連打回数を、3,3,3,2,2,1と機械的に感じながらタイミングを合わせます。
ま、ここは、連打しながら適当にタイミングが合ってれば良しとしましょう。

これに続くレガートフレーズが、このソロの最難関ポイントです。
音で聞く限りでは、超絶難しそうに聞こえます。
楽譜を見ても、地獄のような譜面に見えます。

けどまぁこれも、スケールにしてみると意外とシンプルに作られています。

こんな感じで、マイナーペンタのスケールの上3本の弦に1音ずつ付け足して、3ノート・パー・ストリングになっています。

1弦に2nd、2弦に#6th、3弦に♭5thを追加しています。

なんて書くと難しく感じますが、要は、上の図のように、人・中・薬で同じ形で押さえるようにしただけです。
視覚的にすごく覚えやすいので、非常に良く使われます。

以前ジョーペリーの分析をしたときにも出てきましたね。

これなら3秒で覚えられると思います。
是非とも覚えておきましょう。

でもってダレルは、このスケールの中で、

この赤で囲んだ部分をハンマリング・プリングで繰り返し連打することが多いです。

なんでかと言うとですね、

（※実際はレガートフレーズ　クリックで拡大）

タブ譜の上段は、16分で頻繁に使われるシンプルなフレーズですね。

これに赤の部分の2音を付け足すだけで6連の複雑なフレーズに改造しているわけです。
付け足しているのは、上のスケール図の赤で囲んだ部分。
それを、2回繰り返しているだけなんですね。

この2回繰り返すところだけでも無意識で弾けるようになれば、このフレーズの難易度は一気に下がります。
中指でオン・オフするだけなので難しくはないでしょう。

ダレルはこんな風に、視覚的に分かりやすく考えたフレーズ作りが多いです。
聴いた感じでは超絶難しそうに思えても、スケールを図にしてみるとなんだか弾けそうな気になってきます。

例えば、↓ 以前にコピーしたパンテラの代表曲 Cowboys From Hell

2分35秒くらいから始まるマシンガン・ピッキングのフレーズも、超難しそうに聞こえます。
実際、スピードは超速いですが、運指は

こんな感じで、非常にシンプルです。

視覚的に分かりやすい運指にすると、響きが変になったりしますが、
連打することで、いい感じのフレーズになったり、
それが弾き手の個性になって現れたりします。

自分なりに分かりやすいスケールを開発するのも、得てして画一的になりがちな速弾き界で、一種独特な個性を醸し出していたダレルの秘訣なのかもしれません。