ありがとう、またね。
さいしょ生まれた時はさぁ、おかあさんのはじめての子供でさぁ、
何がなんだかぜんぜんわからなかったんだよね。
気が付いたらさぁ、羊膜に包まれたまま転がっててさ、息もしてなかった。
あわてて俺が羊膜破いてあげたらさ、小さく息吐いて、
ようやくおかあさんも子供だってわかったんだよね。
そこから母性が爆発して、ぺろぺろやりはじめたんだっけ。
生まれた時はさ、俺の誕生日と一日違いで、
それで今日はお母さんの命日と一日違いだったんだ。
こわがりでさびしがりだったから、いつもだれかとくっついてたから。
ながいあいだ、ほんとうにありがとうね。
これから、さびしくなるよ。
かなしいな。
でもがんばるよ。
ありがとう、またね。