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2月15日 made in China ギターの酷さ。 [Burny BLC-65]

連日少しずつ木工作業を進めています。
とにかく作りが粗くて、あらゆるところに手を加えないといけません。

今回は、ピックアップの切り替えスイッチをインチサイズの switch craft  に変えるために、スイッチまわりの穴をほんの少しだけ広げました。

DSC_2661.JPG

紙やすりでコシコシと少しずつ内側を削りました。
この断面を見ても、ベニヤじゃなくて一枚の板から出来ているのが分かります。

ボディー内側のザグリがこれまた雑で、デッコボコになってた上にかなり斜めに傾いていたので、
彫刻刀の平刀でガリガリ削りました。

DSC_2670.JPG

さらにさらに、キャビティーのザグリがスイッチクラフトを入れるにはちょっと窮屈だったので、出っ張った部分を鉄ヤスリでゴリゴリ削りました。

DSC_2671.JPG

適当に転がっていたこの彫刻刀、近藤って名前が書いてあるんだけど、俺の知り合いに近藤さんっていないんだよな。
なんでウチに近藤さんの彫刻刀があったんだ?
そして誰なんだ?近藤さん??

ま、それはともかく、switch craft のスイッチはシャフトが短くて、そのままでは取り付けできません。

てことで、レスポールに装着するためには、専用のナットを用意しなければいけません。

DSC_2625.JPG

モントルーこのキットは「レスポール用」と書いてあるのに、このナットが付いていません。
別途購入しなければいけません。

ポットのシャフトも短くて、通常のレスポールには付けることができません。

もう一度言いますが「レスポール用」と書いてあるのに、です。
不良品というか、詐欺ですよね、これ。
そりゃあ売れませんよ。
投げ売りにもなりますよ。

今は、レスポールにも取り付けられるシャフトの長いものを使ったバージョンも売っています。
しかし、古いバージョンと併売されているので、購入する時は注意が必要です。

このパーツを使い切るためにも、セミアコポールを買ったという意味合いもあります。
ようやくすべてのパーツを使い切ることができました。

で、まぁ、あれこれ木工作業なんかをしてみて、全体の作り込みなんかも大体分かった上で、この Burny のチャイポールの感想なんですけどね、とにかくまぁ、「酷い」の一言です。

組み込みの作業工程がとにかく全てにおいて

表側のパッと目につく部分だけ適当に見栄え良くして置いて、ボディの内側とか、ちょっと目に入りにくい部分とかはバリとか段差とか当たり前。

処理も甘いし、仕上げも雑。

全体的に「できるだけ手間を省きましょう」という作り手の強固な意志を感じます。
インドネシアのアイバニーズよりも酷い。

もうね、海外で作るのは限界があるよね。
日本で企画して、素材もそれなりに良い物をつかっても、作り手が雑にやったら台無しになるよね。

多分フェルナンデスの偉い人たちは、日本で作ってる時は誰が作っても良い品質のものが作れたんだから、
どの国で作っても同じだと思ってるんだろうけど、根本的な問題が分かっていない。

日本人は「どうせ作るなら良い物を作りたい」と考える。
しかし、中国や韓国では「他の人と同じ賃金で作るなら、できるだけ手を抜かなければ損だ」と考える。

だから、作業もどんどん雑になるし「雑にやらなきゃ損だ」 とまで考えるようになる。

これじゃあね、どんなに良い素材を使ったって、良い物は作れません。
だから、「フォトジェニックやプレイテックで十分だ」となってしまうんですね。

フェルナンデスも、アイバニーズも、最近になってようやく国内回帰が始まってます。

ただ、中国で作るのが悪いと言ってるんじゃあなくて、そういう作り手の性質みたいなのをちゃんと知った上で対策すればもっと上手くやることも出来たんだろうな、とは思います。

それこそ、フォトジェニやプレテクみたいに、安かろう悪かろうで購入者を諦めさせるのも手段です。
ブランドイメージは低下しますがね。
ブリッツやマエストロみたいに廉価ブランドを出すのも良いでしょうね。
アイバニーズのGIOとかね。

それでも、現地に日本人を派遣して、徹底的に検品作業をしなければいけません。
日本で製造していた頃の性善説は通用しません。
「現地の作業員は必ず手を抜く」という認識を持たなければいけません。

その検品が甘くなってるのがアイバニーズだよね。
この前買ったのも酷かった。

ま、そうやって検品に手間暇をかけて、不合格になった不良品もバンバン出して、
ってやってたら、コストはどんどん上がりますが。
そうこうやってるうちに「じゃあ日本で作った方が良いじゃん」ってなったのが最近ですね。

ま、円高になって、ようやく国内に生産業が戻って来たというのもあります。

デフレ円安時代に、中韓に進出した企業は軒並み大きなダメージを負いました。
日本の楽器メーカーも壊滅的な打撃を受けた。
さらに、中国製品のせいでブランドイメージは一気に悪くなった。
そりゃあそうだ、80~90年代の、安くて品質の良い日本メーカーをイメージして買ってみたら、とんでもない粗悪品をつかまされたんだから。
ユーザーの落胆は想像以上に大きいでしょう。
これからしばらく、2000年代から2010年代前半までのギターの中古価格は下落するでしょうね。

じゃあ、バーニーなんか買うのやめて、フォトジェニ買った方が良いの?
と思うかもしれませんが、そんなこともありません。

まずね、木材はちゃんとしてる。
フォトジェニやプレテクは、ナトーとか、ソリッドウッドとか、謎の木材を使っている。
さらに酷い場合は、ペラペラのベニヤ板に綺麗な杢目のツキ板だけ貼り付けたものもある。

ナトーってのは、バスウッドの下位互換みたいな安い材ですね。
ソリッドウッドってのはもっとひどくて、具体的に木の名前を表してるわけではありません。
ただ単に「その時一番手に入りやすい木材」を使っているということです。
ほんとに正体不明の木材です。

一方チャイポールは、一応メイプルトップ、マホガニーバック、マホガニーネック、ローズウッド指板と、ちゃんとカタログにも明記している。
メイプルやマホガニーにもピンからキリまであるけど、それでも正体不明の木材よりは遥かにマシです。
ブリッジも、ライセンスドとは言え、アルミ製のビグスビーを使ってるし。

だから、こちらで手を加えてやれば、それなりに良い音になる可能性もゼロではありません。

あとはやっぱりね、

DSC_2668.JPG

フェルナンデスはヘッドの形がコレなんです。
これはレスポール好きにとっては一番のメリットです。
出てくる音には何一つ関係が無いですけどね。
でも、これは直接傘下のエピフォンでもやっていないです。

ギブソンにライセンス料とか払ってるんでしょうかね?
詳しいことは分かりませんが。
ジョーペリーモデルやジョンサイクスモデルを作ってるので、その関係でギブソンにもお金を払っているみたいなことをどこかで見た記憶がありますが、定かではありません。どなたか詳細を知っている人がいたら教えてください。

それと、ボディー寸法もほぼ同じ作りなので、ギブソンと持ち替えても違和感なく弾けます。
これもギブソン持ちには大きなメリットです。
ギターの形も、まんま同じにしたらアウトらしいので、やっぱり何らかの形でギブソンにお金払ってるんでしょうかね?

ともかく、俺みたいにアホみたいに弄り回したい変態にはうってつけのギターです。
さっきも書きましたが、これから先、この年代のギターはどんどん値が下がると思うので、変態ネットワークのみんなには狙い目のギターであることに間違いはありません。


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