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エフェクターを作ろう!!【その1】パーツを集めよう [エフェクタ―の作り方]

まだまだ大変な日々が続いています。
こんな時に自分ができること。大したことじゃないけれど、自宅でできる楽しみのひとつとして少しでも役に立てば良いな、と思い簡単な自作エフェクター入門ビデオを作ってみようと思っています。

良かったら一緒に作って行きましょう。

では行ってみましょう。

まずは、↓下の設計図を見てください。

BPmo4011.gif haisen.gif

1枚目は今回のエフェクターの基板の設計図。
2枚目はスイッチやジャック周りの設計図です。
詳しいことは後ほど説明します。

今回作るのは、いわゆる「クリーン・ブースター」です。
その中でも、自分的に”最強”だと思う1台です。

MXRのマイクロアンプやディストーション・プラスを元に作られたコイツは、シンプルだけどそれだけに奥が深い使い勝手の良いブースターです。
上手く作れば、”一生使えるエフェクター”になると思います。

ワクワクしてきましたね。
では早速・・・・とその前に、

1.パーツを揃えよう。

何はなくとも、とりあえず部品がなくちゃあ始まりません。

parts401.gif

とりあえず最低限必要なパーツはこれだけあります。
費用は2千~3千円くらいでしょうか。
上手く買えばもっと安くまとまると思いますが、あまり無理はしないように。
手間と労力とコストを天秤にかけて自分なりにパーツを集めましょう。

と言っても、今はあまりお店に出向くことはできません。

こういったパーツを専門に扱っているショップはたくさんあります。
いくつか紹介します。自分に合ったお店をみつけましょう。

Garrettaudio エフェクター自作と言えばギャレットさん。自分も一番多く利用します。
桜屋電機店 最近はこちらを利用することも多いです。たくさん買うと送料無料に。
サトー電気 近所に昔からあるパーツ屋さん。エフェクターに特化してるわけじゃないのでここだけではパーツがそろわないこともあります。

他にもたくさんありますが、たいていはギャレットさんか桜屋さんのどちらかで間に合います。

で、集めたパーツがこちら。

IMG_2152.JPG

それぞれのパーツを簡単に説明していきましょう。

1.抵抗
最もたくさん使うのが「抵抗」と呼ばれるパーツです。
その名の通り、電気の流れる量を減らします。

抵抗にはいくつか種類があります。
自分がおすすめするのは「金属皮膜」抵抗です。
値が同じであれば「カーボン抵抗」など他の種類でもかまいません。

だた、1/4Wという抵抗のサイズだけは変えないでください。
大きさが違うと今回のレイアウトに合わなくなってしまいます。

また、抵抗にはたくさんの値があります。
K(キロ)とか、M(メガ)とか間違わないようにしましょう。

抵抗は表面に書かれたカラーチャートで値を判断します。
このブログでも、サイドバーに抵抗値を判断するチェッカーを置いていたのですが、多くのブラウザでFlashが使えなくなってしまったので、また何か考えなくてはいけません。

「抵抗」「カラーコード」と検索すればたくさん出て来ますので読み方はそちらを参照してください。

ギャレットさんで買えば、値ごとに個別に分けて抵抗値も書いて袋に入れてくれるので、使う直前までそのままにしておけば間違う心配もなくてラクチンです。

2.コンデンサ

次に使うのが「コンデンサ」です。
ノイズを除去したり、音質を変えたり、いろいろと役割の多いパーツです。

コンデンサにも種類や値がたくさんあります。
今回使うのは「フィルム・コンデンサ」というものです。
値が同じであれば何でもよいのですが、あまり大きいモノだと基板に収まりません。
写真にあるものと似たような形・大きさのものを選べば良いでしょう。

3.電解コンデンサ

コンデンサはもう一つ「電解コンデンサ」というものも使います。

容量が大きいときや電源のノイズを除去したいときは電解コンデンサを使います。
自分は電解コンと略すことが多いです。電コンは略しすぎだと感じます。

これも容量と大きさに気をつけましょう。

4.ダイオード/LED

「ダイオード」は、電機の流れを一方通行にします。
ピカっと光る「LED」もダイオードの一種です。

ダイオードには極性があります。
難しいことは考えずに、本体に引いてあるラインを、レイアウトに合わせればO.K.です。

LEDの場合は買ったときに出てるリードが長い方が+(プラス)の極性です。
カットする前にどちらがプラスだったか必ず覚えておくようにしましょう。

5.IC

エフェクターの心臓部となるのが「IC」です。「オペアンプ」とも呼びます。

「LF442」という型番を指定していますが、お店の人に聞いて「これでも行けるよ」と言われたらそれでも良いでしょう。

今回は「8ピン」「デュアル」の「オペアンプ」ならたいていは大丈夫だと思います。
「ノイズが少ない」と説明で書かれたものを選びましょう。

ICソケット

ICはとても熱に弱いパーツです。
ハンダをあてすぎると壊れてしまうこともあります。

初心者のうちは、熱に強い「ソケット」を使って、直接ICに熱を加えないようにしましょう。

また、ICを変えるとエフェクターの音も結構変わります。
あれこれ差し替えて楽しむこともできます。そういった意味でもソケットはおすすめです。

「8ピン」用のソケットを選びましょう。

6.ボリューム

電機の流れる量を調節するのが「ボリューム」です。POT(ポット)とも呼びます。
今回は100K(キロ)というボリュームを1つだけ使います。

ボリュームの動作を表す「カーブ」には、A、B、Cなどいくつかの種類があります。(詳しくは⇒コチラ)

今回は「Bカーブ」という最も一般的なカーブのボリュームを使います。
「100kB」と書かれたボリュームを選びましょう。

ツマミ

ツマミはエフェクターの見た目を大きく左右するパーツです。音には関係ありません。
ある意味最も重要とも最もどうでも良いパーツだとも言えます。
好みに合わせて選べば良いでしょう。

ただし、ボリュームの軸とツマミの穴サイズが合ったものを使いましょう。

7.フットスイッチ

エフェクターをON/OFFするパーツが「フットスイッチ」です。

裏を見て、端子が9個ある「3PDT」というタイプを選びましょう。
たいていは「オルタネイト」という動作をします。
踏んでいるときだけONになるモーメンタリ・タイプは今回は使えませんので注意。

8.基板

抵抗などのパーツをつなげて乗せるのが「基板(きばん)」です。

今回はボコボコと穴が開いてる「ユニバーサル基板」を使います。

「2.54mm」ピッチのものを選びましょう。

基板には「紙フェノール」「ガラスエポキシ」などがあります。
紙フェノールの方が扱いが簡単です。ガラスエポキシは頑丈です。
どちらか好きな方を使いましょう。自分はガラエポ派です。

9.ジャック

ギター/アンプを繋ぐシールドケーブルを挿す「ジャック」です。
今回は「モノラル」と「ステレオ」を1つずつ使います。

「1/4” フォーン・ジャック」というものを選びましょう。

また、9VのDCアダプターにつなぐ「DCジャック」も必要です。
「2.1mm」と書かれたものを使います。

10.ケース

作った基板などを収める「ケース」も必要です。
パーツが入れば何でも良いですが、頑丈で加工のしやすい「アルミ製」のケースがおススメです。
ケースは最も高額なパーツです。ここをおさえればより安くエフェクターが作れます。

最初のうちは、100円ショップのアルミ缶や金属製のお菓子の空き箱などを利用しても良いでしょう。
自分はダイキャスト製のミニカーに入れることもあります。

とにかく、パーツが全部収まって、踏んでも壊れない金属製の箱なら何でも良いでしょう。

11.リード線

基板やボリューム・スイッチ・ジャックなどを繋ぐのが「リード線」です。
これもいろいろな種類があり「音が大きく変わる」という人も言えば「ほんの誤差程度」だと感じる人もいます。
どちらにせよ、リード線によって音が変わるという認識は間違いないでしょう。

種類が多すぎて、はじめは何を選べば良いか分からないと思います。
まずは「22AWG」という太さの線が扱いやすくておすすめです。
それも良く分からなかったら何か適当に電子工作用の線を買っておけば良いでしょう。
もしくは何も考えず「Belden 8503」を1m買っておけば間違いはありません。

12.ハンダ線

各パーツを基板につけたり、リード線をパーツにつける接着剤みたいなのが「ハンダ」です。

「ハンダによって音が変わる」と言ったり「いやいやハンダじゃ音は変わらないよ」と言ったり、いろいろと論争が交わされています。
この争いはかれこれ1000年以上も続いています。

初心者がこの不毛な争いに加わることはあまりにも危険です。

まずは電子工作用、できれば音響機器用のハンダを選べば良いでしょう。
「Kester44」という魔法の呪文を覚えておきましょう。読み方は「キースター」です。「ケスター」と読むとマウント好きの似非上級者からボコボコに言われます。注意しましょう。
(自分はエフェクターを作り始めてから10年くらいはケスターと読んでました。何なら今でもケスターと読んでます。)

エフェクターなら1mもあれば十分です。

以上でパーツ集めは終了です。
とりあえずこれだけあればエフェクターは作れます。
あとは、追加で改造したり、こだわりパーツを使ってみたり、「もしかしたら失敗するかも?」と心配のある人は、ちょっと余分に買っておきましょう。

ひとつのヒントとして、上のお買い物表で茶色く塗ってあるパーツをちょっとだけ良いオーディオ用なんかに替えると音が更に良くなったりするかもしれません。

どうしても買い方が分からない。考えるのが面倒だ。
という方には、ギャレットさんで使える一括エクセルシートを ⇒ ココに置いておきます。
ギャレットさんの「Inport Tool」でまとめて一気に購入できます。
けれど、他の物が買えなかったり「選ぶ楽しさ」がなくなってしまうのであまりおすすはしません。

2.道具を揃えよう

自作エフェクターは、パーツを全て揃えても2~3千円くらいで作れます。
「何だ、超安く作れんじゃん、ラッキー!」と思うかもしれません。
しかしそれは罠です。

素手ではエフェクターは作れません。
ごくまれに指先や眼球から高熱を発することが出来る人がいますが、そういった特殊能力を持たない一般的な人々は、いくつか道具を揃える必要があります。

まずは、自分が使っている中で「これは必須だな」と思う道具を紹介します。

1.ハンダごて

何はなくとも「ハンダごて」は必要です。
使うハンダ線によってコテの W(ワット)数が変わります。
自分は普段は「30W」のこてを使っています。

「銀入り」とか「無鉛」とか書いてあるハンダのときは40Wを使います。

自分が使うハンダに合わせて選びましょう。

半田ごては、特に高価なものを買う必要はありませんが、100円ショップなどで買うのはやめておきましょう。何となく。千円前後のもので十分です。

2.ラジオペンチとニッパー

この2つは買うまでもなく大抵のお家にはあると思います。
これは100円のものでも大丈夫です。自分はラジペンはちょっとお高いの使ってますが銅線を切るニッパーは使い捨て感覚でダイソーのニッパーです。

3.ドリル

ケースに穴を開けるためのドリルです。
手動と電動のドリルがありますが、手動で鉄のケースに穴を開けるにはかなりのガッツが必要です。

簡単なもので良いので電ドリひとつあれば日曜大工にも役立ちますので持っておいて損はないでしょう。

どうしてもドリルを買いたくない人は、穴開け済みのケースを買っても良いでしょう。
ただし、割高になってしまうので、穴開きケース2つ、3つ買う金でドリルが買えます。

4.リーマー

ドリルビットでは対応できない大きな穴をあけるときに使います。
ドリルであけた小さな穴に突っ込んでグリグリ回して無理やり穴を広げます。

手動でなくてドリルビットに対応したものもあるのでお好みで。

小さいケースを使うときは、4~20mmのサイズがおすすめ。

5.スパナ、ドライバー

これもわざわざ買うまでもなく家にあると思います。
特にドライバーが無い場合、今後の生活に支障が出る可能性がありますのでこの機会に是非買っておきましょう。

スパナもドライバーも、いろんなサイズが入っているセットを買っておけば良いでしょう。
スパナは必要なサイズだけ買い足していっても良いですが面倒だしかえって高くつきます。
どうしてもスパナを買いたくなければペンチで無理やり締めてもよいですが、ケースやパーツが傷だらけになったり、ちゃんと固定できなかったり破損するリスクがあることを覚えておきましょう。

6.棒ヤスリ・丸ヤスリ

なんやかなやでいろいろ使います。100円の鉄ヤスリで十分です。

とりあえずこれだけあればなんとかなるでしょう。
一番ハードルが高いのがドリルですね。

自分がおススメする道具のアマゾンアフィリを置いておきます。
よろしければこちらからご購入いただきますと今後のブログ運営が少し潤います。

   

ここから先は、できればあった方が良いもの。あると作業が楽になるものです。
予算に余裕があればぜひ購入してください。

7.ハンダこて台

文字通りハンダのコテを置いておく台です。
高熱のコテをそのまま机や床に置いたら火事になってしまいます。
必需品の方に入れても良いかもしれません。

熟練者には空き缶や針金で作ってしまう人もいるので一応こちら側に。

8.ハンダクリーナー

こて先を綺麗にするものです。
こて先が汚いとハンダが失敗する原因になります。

水でぬらすスポンジタイプと金属たわしみたいなタイプがあります。
自分は後者を使っています。

クリーナーの中身だけ買って、適当な缶にいれてブスブス刺して使います。

9.半田吸い取り線・吸い取り器

初心者は失敗します。超上級者でも失敗します。
リカバリー時に必要となるのが半田吸い取り線と吸い取り器です。

「わたし失敗しませんから」という自信のある人以外は持っておきましょう。

10.虫眼鏡・拡大メガネ

おっさんになると細かいパーツを見るのが本当に大変です。

11.パーツ固定台

ミニバイスとか、パーツを固定するもの。
基板専用とか拡大鏡のついたものもあります。

自分も昔は使っていましたが、今はセットするのが面倒だし、あれこれ動かしながら作っているので使わなくなりました。

12.テスター

パーツの値を調べたり、導通を調べたり、トランジスタの増幅値を調べたり、とにかくいろいろ使います。
自分的には必須ですが、初心者のうちはまだ必要ないかも。
いくつか作っていると、そのうち「欲しいなぁ」と思うようになります。そうしたら即買いましょう。

13.グルーガン

LEDを固定するのに使います。他にも何やかや細かく使います。
無くても良いです。ゼリー状瞬間接着剤があれば。でもあると便利です。
自分は100円ショップのを使ってます。

14.ヒートクリップ

熱に弱い部品をハンダづけするときに挟んで熱を逃がしたり、パーツを仮固定するときに使います。
その他にもいろいろ使い道が多いです。

15.ピンセット各種

細かいパーツをつまんだり、ハンダ中に触れて熱を逃がしたり、使い方いろいろ。

16.センターポンチ

ドリルで穴を開けるときに目印をつける道具。
釘やキリなどでも代用できるが、あると作業がかなり楽になる。

ひとまずはこんなところでしょうか。
また後で「あったら良い」ものを思いついたら追記します。

こちらもアフィリを置いておきましょう。よろしくお願いいたします。

   

道具を一式揃えると、結構な金額になります。
「せっかく買ったんだから、もっと作ってみようかな」と思ってしまうのが2つ目の罠です。

パーツと道具を説明するだけでかなり長くなってしまいました。

今回は【準備編】ということで、この続きは分割してまた次回に続けましょう。

できるだけ、初めての人でも分かるようにしようと頑張りました。
それでも説明不足のところがあるかもしれません。

分からないことがあったらコメント欄にどしどし質問してください。
できるだけ頑張っておこたえします。


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